田舎大学生くん

くだらない事がほとんどです。紹介するときは本気です。それでも見てくれる方が大好きです。

ミスター・ブルースカイ/マカロニえんぴつ を少し考察したい

生憎私たち人の子です、どうも田舎大学生です。

今日は『ミスター・ブルースカイ』やってみたいと思います。この曲は、『ヤングアダルト』の発表まで、フェスやライブの最後の曲として演奏されることが多かった曲で、マカロニえんぴつの転機というタイミングで製作された楽曲ですね。その分伝えたいことがはっきりとしているというか、メッセージ性のかなり強い歌詞の内容となっています。また、あいみょんがインスタライブで弾き語りカバーしたことでも話題となりました。

「ハロー、絶望」とかもそうなんですが、『ミスター・ブルースカイ』ってなんかすごく良くないですか?このタイトルについて、僕の思いを伝えたいのですが、伝えるにふさわしい言葉がうまく見つからないので「なんか凄い」としか言えないのが悲しいところですが…。個人的には、マカロニえんぴつの曲って、一部を断片的に思い出してもすぐにどの曲だったか思い出せる感じがするんですよね。他のアーティストだとこれどれだったっけ?ってなりがちなんですけど。そのくらい曲の一貫性が高いイメージで、タイトルもバッチリ決まってるという印象です。

そろそろ本題参りましょう!

 

考察

 

猿も木から落ちるし正義は平気で嘘をつく

1発目からめちゃくちゃいい歌詞。メロディーの下降と「猿も木から落ちる」というフレーズがしっかり決まってます。

「正義は平気で嘘をつく」というのはかなり核心をつくような歌詞ですよね。これ自体をテーマとして1曲作れそうなくらい壮大な内容をいきなり持ってくるところにこの曲に向ける覚悟が表されているような感じもします。普段はおちゃらけてるあいつが妙に真剣な顔してるけど何があった?っていう深刻さを感じます。

 

素通りしないでね

ここライブで聴くとめちゃくちゃエモいんですよね〜。今まで素通りされてきたマカロニえんぴつの音楽がようやく多くの人に届き始めたというこのタイミングで聴くとより一層エモさが感じられると思うんですが、僕はチケット全敗だったので今回ツアーでは聴けません…。聴けた皆さんが羨ましすぎる…。

 

あればあるで邪魔 いなきゃいないで不満

骨までは愛せない

いい歌詞のオンパレードですよ。こういう人やものって、いるしありますよね。贅沢を言っていることは承知で、邪魔だの不満だの言ってしまえればいいんですけどね。鬱陶しく思ってしまう時もあれば恋しく思う時もある。常に不満な状態(恋しいと思う状態)でいられればいいんですが、邪魔だと感じてしまう時期も当然あるわけで。僕たちはよっぽど大切なものでもなければ邪魔なものはそこで素通りしてしまうんですよ。そしてその後も思い出すことはないのかもしれない。

骨まで愛しきれるものってありますか?っていうことを逆に問われているかのような歌詞ですね。

 

あくびの向こうでほら探してくれ

泣いているのは君のせいじゃないから

ただ泣いてみたのは夜のせいでいいかな

泣いたのは君のせいではなくあくびのせいだというわけですね。あくびでごまかした涙の理由を実は探して欲しい。邪魔だなあで素通りしてほしくはないけど強がってしまうという複雑な感情が示されています。夜のせい、もう眠いから寝るねと言った感じで言いたいことも言えないまま、また素通りされてしまうのかなあなんて思いながら眠るのかもしれませんね。ものすごく悲しいです。

 

ブルースカイ、届いてない

朝が来て青空、やっぱり素通りされてしまう主人公の心情といったところでしょうか。

 

去るものには追われてなんぼだ

合わすべくはテンポだ

あなたに求めたのは情熱だけ 叶わぬ夢だけ

なんぼとテンポで韻を踏んでくるあたり、悲しいお別れだけの曲というだけではなく、ちゃんと細かい配慮が行き届いていてめちゃくちゃ良いですね。

去るものは追わずとは言いますが、去るものには追われてなんぼというのはどういうことでしょうか。僕は、素通りして行った人たちがもう一度帰ってくることをこういう風に表現しているのかなあと思います。去って行った者たちに逆に追いかけられる存在になって当たり前なんだという強い覚悟をこの2番頭で不意に歌ってくるのはある種マカロニえんぴつらしさが出てる気がしますね。

合わすべくはテンポだという歌詞もなかなか考察が難しいのですが、流行に合わせればいいんでしょ?と少し投げやりに歌っている感じがありますね。結果、マカロニえんぴつは流行の曲というスタンスではなくミドルテンポでここまでのし上がったわけですからかなりかっこいいことをやってます。

その次の部分も「情熱」、「叶わぬ夢」という歌詞から、自分のやりたい音楽で成功することなんてできないのか?と悩んでる様にとれますね。情熱を持って応援してほしいけど、それは叶わぬ夢なのかなぁみたいな感じでしょうか。

余談ですが、『STAY with ME』に、「情熱より強烈さがそんな美しく見えるかい?」という歌詞がありますね。一過性の音楽を楽しんでないか?まあそれでもいいけどね。というこの主張とリンクしている気がしました。

 

答え合わせのはずが

あくびをする意味まで探らないでよ

ここは『girl my friend』っぽいですよね。「なんで泣いてたの?分かってない 分かりたくない」の部分と共通していると思います。いつもいつでも正解が出せればいいんですけどそうじゃないですよね。お互いに思い合っている人同士でもすれ違いはどうしても起こってしまうもの。そんな時に勘違いで勘繰りをされてしまうともういい!!ってなっちゃいますよね。それでも折れずにやってきたバンドたちは偉大だと思います。ファンに好き勝手言われて、コメント欄は「変わってしまったな…」で溢れるという地獄の様な環境。薄っぺらい共感なら得られない方がマシですからね。あー、この人は何にも分かってないんだなって悲しさまで襲ってきますから。

 

泣いているのは君のせいじゃないから

ただ泣いてみたけど捨てきれないのなんでだ

次に進もうとしてるんです、傷つきながら。傷付くくらいならもう信念を曲げてしまった方がいいんじゃないかとさえ思うほどに迷っているんです。でも、やっぱり捨て切れないんですよね。それほどまでに大事なもので、簡単に手放せる様なものじゃないし、そもそも簡単に手放せる様なものならとっくの昔に手放してるんですよ。そんな足枷は。「情熱より強烈さ」を売りにしてる人たちを一種羨ましくも感じているのかもしれません。時代とあった感性を持っていて羨ましいと。

それでも、自分が良いと思うものを良いと思ってくれる誰かがたくさんいると信じて、捨てずに持っているんです。

 

染まりたくはないが そばにいた暮らしがちょっと好きだ

都会の足音 昨日と 僕を素通りスルー

やっぱり流行には染まりたくないけど、その近くにいるのは居心地がいいんですよね。悪いものが流行るとは考えにくいので、流行自体も良いものであるのには間違いないわけで。「ちょっと好きだ」という風に照れ隠し的な雰囲気を織り込んでいるのもマカロニえんぴつ風味が出てますね。

そして都会の人びとにはまたもやスルーされてしまったようです。不安が募りますね。

 

通り雨降る

止んで流れる

余計縋っていたくなる

モノクロの庭でおどけ合ったのも幻になれ

ここも素通りスルーの流れですね。通り雨的に急にスポットを浴びるも、終わった途端に離れていく人々。そんな人たちに余計に縋っていたくなるというのも少し不思議な感じはしますが興味深い歌詞ですね。

最後の行に記した歌詞は抽象的で非常に読み取りが難しいですね。まず、モノクロの庭ってなんでしょうね。例えば、「カラフルな庭でおどけ合ったのも幻になれ」だったらめちゃくちゃ分かりやすいんですよ。あなたとの楽しかった思い出も幻になってしまえと歌っているんだなと分かりますよね。でもこの曲の歌詞では「モノクロの庭」なんですよね。うーん、難しいですが、いい思い出も悪い思い出も包含して「モノクロの庭」としているのかなあと思います。もちろん、はっとり本人固有の思い出を歌詞にしている可能性もあるので、この部分は無理な解釈を施すことすら野暮なのかもしれませんね。

 

サヨナラグッバイ、笑ってスカイハイ

とりあえずまた明日

それでもいいかい?

これならいいかい?って何回も言う

「それでもいいかい?」って歌詞が悲しいですね。大切な人と笑顔でお別れなんてできるものなんですかね。僕はできない気がします…。

捨て切れないのなんでだ

と未練がましさを残すところがマカロニえんぴつですよね。綺麗な思い出として美化させるんじゃなくて、女々しくも思い続けてしまう惨めな主人公が愛おしいです。

 

まとめ

この曲はドラムのサティさん脱退時の曲だいうこともあって、お別れを想像させる曲ですが、爽やかで前向きな印象ですよね。歌詞はともかくとしても。

フェスやワンマンでも重要なタイミングで演奏される曲ですし、一言で言えばものすごくエモいです。アウトロの「ハァ〜」って裏声で音源では歌われているところを、ライブだと「うおー」みたいな感じで地声で歌われるのが最高にエモいです。ぜひ生で聴いてみて欲しい曲ですね。

 

それでは。