田舎大学生くん

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レモンパイ/マカロニえんぴつ を少し考察したい

鶴は千年、馬鹿は残念の馬鹿な方こと、どうも田舎大学生です。今回は『レモンパイ』を考察してみたいと思います。マカロニえんぴつといえば、割とずっと追ってきた僕からすれば『レモンパイ』で火がついたようなものだと思うのですが、どうでしょう。『レモンパイ』が着火剤で『ブルーベリー・ナイツ』が火をつけたって感じですかね。そっちの方がしっくりくるな。そうしよう。

と、いうわけでさっさと『レモンパイ』考察しましょうね〜。

 

タイトル『レモンパイ』

レモンパイって食べ物、皆さん食べたことありますか?僕はないんですよね。一般的なのか、それともみなさんにもあまり馴染みがないのかは世間知らずな僕には分かりかねますが、少なくともどこにでも売っているものではありませんよね。ただ、アップルパイではないと。そこまで甘ったるい恋模様ではない歌詞なのか、と思いきや最後には「甘すぎるくらいがいいね」と言ってるくらいラブラブですよ。ヒューヒュー!てなわけです。というかマカロニえんぴつって失恋の歌がめちゃくちゃ多くて、恋愛が成就している曲って少ない気がするので、レアな内容といえばレアかもしれないです。パッと思いつくのは『ワンルームデイト』、『恋のマジカルミステリー』あたりくらいですかね。2曲とも発表は今年ということで、公私ともに調子いいってことでいいんでしょうか。まあ!おばさん赤飯用意しようかしら!

と、はっとりのプライベートの考察みたいになってきたのでこの辺にしときましょう。インタビューではうまくいってて幸せな時ほど不幸せになることを考えてしまう的な発言をしていましたし、個人的にはむしろ好調な時ほど不安な歌詞を書きそうなイメージはあります。

さっさと歌詞の考察いきましょうね…。

鶴は千年 馬鹿は残念

冒頭でも書きましたがこの歌詞なんか好きなんですよね。元のことわざは鶴は千年亀は万年ですが、正しい意味がわからなかったので調べてみると、

鶴は千年、亀は万年
【読み】
つるはせんねん、かめはまんねん
【意味】
鶴は千年亀は万年とは、長寿や縁起を祝うときのことば。

(故事ことわざ辞典より引用)

という意味だそうです。亀の代わりに馬鹿という言葉の意味的には全く違うものの動物という一貫性を持たせた歌詞を作るあたり、いきなり遊び心が炸裂してますね。

ここでは、2人の関係が長く続いて欲しいなぁ、続けばいいなぁというニュアンスですかね。この曲自体、恋人関係にまで発展するかしないか微妙なところで揺れる主人公という構図なので、「馬鹿は残念」の方は、そうは思っているけれどもどうすればいいか分からないという感情を自虐的に表していると。

これ恋かもね、そうだとしたらどうなんだ

きっと神様だって気づいていないのです

「いないのです」っていう歌詞が女性らしくてかわいいですね。

普通だったら、「これ恋かもね、でも今の2人の関係が壊れてしまうのが怖い」的な凡庸な歌詞になってしまいそうなのですが、ここの言い回しは主人公の強がりというか、恋に奥手な感じがめちゃくちゃ色濃く出てて好きです(色恋だけにね)(書かなきゃよかった)(でも残しとく)。

そうだとしたらどうなんだ

って本当は迷ってないんですよね。恋に気づいてるからこそなんとなく上から目線で偉そうぶっちゃう主人公が本当に可愛いし、その気持ちわかる。おじさんよーくわかるぞ。

そして、また「神さま」ですよ。これ、『ブルーベリー・ナイツ』でも出てきましたね〜。僕が住んでいる都道府県にも、縁結びで大変有名な出雲大社があるのですが、恋愛と神様は結びつきやすいものとはいえ、こんな直近の2曲で出るとは。恋愛には神様が確実に絡んでくるのでしょうか。

余談ですが、僕個人的な意見としては、恋愛について神様に頼んだりお願いしたりするのは逃げ場を作るためだと思ってるんですよね。失敗しても神様のせいにできるというか。占いを過剰に信じる人みたいなもので、成功すれば神様のおかげ、失敗したら神様のせいで自分の頑張りを棚上げできるという。辛さから目を背けるための手段の1つとして神様を利用させてもらっているという感じですね。

さあ、いつも通りめちゃくちゃな脱線事故を起こしたところですが、無理やり戻っていきますよ!

『ブルーベリー・ナイツ』では、「神様たちは他人のまま」だったのですが、『レモンパイ』は「きっと神さまだって気付いていない」という似てはいるけれども絶妙に違う表現ですね。レモンパイの方は、まるで神さまが気付いた瞬間に恋が始まるというか2人がくっつきそうな雰囲気まであります。

それに、表記の違いとして「神様」と「神さま」ひらがなの神様の方が距離感が近い感じがしませんか?まるで知人に手紙を出すかのような近さを僕は感じます。

でも主人公としては絶対に気付いて欲しい!ってわけでもなさそうなのがまた奥ゆかしいですね。後の歌詞でも出てきますが、「友達でいよう」と。そういう気持ちとの間でかなり揺れてますね。

夜の長さに飽きたのだ

本当に夜の描写が多いマカロニえんぴつ。効果的ですね。ラスサビにも効いてきますからね。1人で過ごす夜の時間ってめちゃくちゃ退屈ですからね。というかこのサビは完全に恋心を自覚してる気がしますね。

愛の歌 やけに嘘くせえな

友達でいよう

いいですねー、この恋愛に対してひねた感覚をもっている主人公。まあ今時の若者って感じですよね。

そしてここで出した結論は「友達でいよう」なんですよね。結局主人公は薄々自分の恋心に気づいていながらにして友達という距離を選んでしまうのか…!来週最終回!乞うご期待!

君に触ったら終わるかな

終わってしまうかもな

でもすごく触りたい

揺れながら少し悲しいキスをしたい

2人の関係がもしかしたら壊れてしまうかもしれないことを承知の上で、ついに行動に出るかと思いきやまだ頭で考えているまま、願望を抱いているままの主人公が愛しいですね。

少し悲しいキスをしたい

ここがある意味すごくはっとり感のある歌詞だと思うんですよね。キスをする関係ってことはほぼ100%恋人関係になっているわけですが、そんな関係でするキスは「少し悲しい」。なんで!?って思っちゃうんですが、たぶんこの主人公は始まりと終わりをセットで考えちゃうタイプだと思うんです。つまり「この2人の関係はいつか終わる(友達でいればずっと仲良しでいられたはずなのに)」と、こういう思考が少なからずあると思うんですよね。でも2人が恋人になれたことは嬉しい。だからこそ「少し悲しいキス」になるんじゃないかと推測します。

長い夜は一つ折りで二人占めに

甘すぎるくらいがいいね

レモンパイ

この歌詞マカロニえんぴつの歌詞の中でも個人的にめちゃくちゃ好きです。セルフライナーノーツにも、ここでは最終的に主人公がとった行動が示されているが、そこは想像にお任せと書いてあったのですが、これ絶対2人ベッドの上ですよね!?

ベッドに2人が仰向けで寝ていて、それを「一つ折り」。つまりそういうことです。分かりますね。そして、長い夜を二人占めすると…。

ラブラブじゃねーか!甘すぎるくらいがいいね!ほんとだね!長続きすればいいね!

とまあ悔しがるのもこの辺にして、一つ折りからの二人占めっていう数字的な言葉遊び。2番でも、

ワンツーのステップ・バイ・ステップ

日々No way、石の上slowで三年目

とありますが、ここでもワンツーからの三年目と数字的な言葉遊び。こういった文学的な楽しみも与えてくれる、総合的にめちゃくちゃよくできた曲ですよね。こういう仕掛けをしてくるところも好きです。

この曲の主人公は結局思っている女の子と恋人になれたわけですが、この先もずっと少し悲しいキスをするのか、それともその悲しさはいつか消えるのか、そんなことも気になりますね。アンサーソングに期待したいです。

 

こんなところでしょうか。

 

それでは。